ブログを始める

最新ニュース

【シティライフインタビュー】 桂 福丸さん

2014年01月20日


落語家
桂 福丸さん




灘中学・灘高校・京都大学出身という異色の経歴を持つ落語家、桂福丸さん。
28歳で桂福団治師匠に入門して7年、落語で見せる豊かな表情・口調とは違い、ごく自然体で取材に応じてくれた。
飾らず、気負わず、等身大。そこに垣間見える落語への情熱と鋭い視点。これからの福丸さんに期待が高まる。


客席と作る生きた落語で
心地よい瞬間を共有したい



”今、生きている“感覚を求め
異色の経歴を経て落語の世界へ

―灘中学・灘高校そして京都大学卒という経歴をお持ちですが、落語家になろうと思った経緯を教えてください。

落語に出会ったのは小学生の頃に見た「枝雀寄席」というテレビ番組。その頃から興味はあったんですが、高校で舞台の面白さを知りました。自由な校風で、みんな変わり者(笑)。それぞれが好きなことに没頭できる環境があって、僕は文化祭などで演劇をしたんです。もともと人前でしゃべるのは得意ではないんですが、自分じゃない人間に入り込むという感覚が肌に合ったんですね。舞台の上では音や光への感覚が鋭くなって、”今、生きてるなあ“と鮮烈に感じる。そのライブ感がいいんです。それで舞台に立つ仕事がしたい、と。

大学卒業後は大阪でフリーターをしながら演劇や漫才もやりましたし、芝居や歌舞伎や文楽、生の舞台をひたすら見ました。英語落語に出会って、アメリカ公演もさせていただいたのですが、そのうちに日本語落語の奥深さに惹かれていきました。

そんな時、桂福団治師匠と知り合いだったバイト先の支配人の計らいで、師匠とお話できるご縁があったんです。何度かお会いするうちに、入門するのはこの人や、と思いました。それまで師匠は14年間弟子をとっていなかったんですが僕が28歳、師匠が67歳の時に運よく弟子入りが叶いました。

師匠が教えてくれるのは
落語ではなく人生そのもの

―実際に落語の世界に入ってみてどうでしたか?

新しい環境に入るということは、そもそも全てが新しくて、知らないことが山ほどでてくるのは当然。ですが、想像を遥かに絶する世界でした(笑)。丸裸になってぶつかっていかないと、小手先ではとても対応できない。人間としてどうや、というところまで問われます。人の気を読んで、先を見据えて動かないといけないので、慣れというのもない。本当の意味で自分を変え、仕事への臨み方を変えた瞬間に初めて分かってくるんですね。

そこに気づかせてくれるのが師匠です。師匠は落語を教えるだけの「先生」ではないんです。落語家としての生き方、人間としての生き方を身をもって教えてくれる方。弟子のために時間を費やして、心から怒ってくれる。「親子は一世の縁、夫婦は二世の縁、師弟は三世の縁」という古い言葉どおり、師弟の間は、三代にわたるほどの深い関係なんです。

だから、師匠と出会えた縁や弟子入りの運の良さ、決断の勘を大事にしています。僕の落語家人生を成り立たせているのは縁・運・勘。日頃からこの三つを磨くことを意識しています。

何百人で味わう一体感
舞台文化のうねりを大阪に

―福丸さんにとっての落語の魅力はどんなところですか?

落語はお客さんと一緒に作っていくものだと思っています。客席の空気によっても変わっていく落語の世界を全員で味わった時、心地よい瞬間が訪れてその場全体で幸せになれる。この一体感は、舞台だからこその感覚です。残念ながら、関西はいろんな舞台芸術を見ようという文
化がまだ根付いていなくて、テレビのお笑い番組で満足してしまうんですね。もっと生の舞台を見てほしいです。そのためには、落語を生で聴いた人が魅力を発信してくれることが一番大きい。落語をいいと思う人が誘ってくれて、人が集まって、舞台文化が大阪に大きなうねりを起こせればうれしいですね。

南森町にある天満天神繁昌亭では毎日、落語の寄席があり、この2月には僕も高座に上がらせていただきます。8月には新歌舞伎座でクラシック奏者や歌手の方の音楽と落語を一つの舞台で見ることができる「寄席クラシックス」を行います。ぜひ生の落語や舞台をこの機会に楽しんでいただきたいですね。

■天神天満繁昌亭(昼席) 桂福丸出演情報
2014年2月は10日(月)・12日(水)・14日(金)・15日(土)・22日(土)に出演。12時半会場、13時開演。チケット前売り2,000円、当日2,500円。
[住所]大阪市北区天神橋2-1-34
[電話]06-6352-4874 
http://www.hanjotei.jp

■第十五回パルモア寄席~そうば・福丸の会~
桂そうばと桂福丸によるトーク&落語。
2014年3月25日(火)16時~、19時~。パルモア学院9階 Oxford Ha(ll JR神戸駅前)にて。チケット当日のみ1,500円。※詳細はブログで


【Profile】

●かつら ふくまる 1978年兵庫県生まれ。神戸市東灘区在住。灘中・灘高、京都大学法学部を卒業後、英語落語と出会い一週間のアメリカ公演を行う。その後日本語落語の奥深さに気付き2007年2月、4代目桂福団治に入門。わずか1ヶ月で初舞台を踏む。現在、天満天神繁昌亭を始め全国各地の寄席に出演。また、「かつらふくまる研鑽会」など数々の落語会のほか定期的に「寄席クラシックス」を開催している。
桂福丸ブログ:http://mscafe.cocolog-nifty.com/

 

〈取材を終えて〉------------------------------------------------------------------ 
 舞台や落語の魅力を、自らの言葉で丁寧に語ってくれた福丸さん。説得力のあるお話に、落語という伝統芸能の奥深さ・面白さを改めて感じました。今後も福丸さんの活躍を期待しています!

同じカテゴリー(シティライフインタビュー)の記事画像
【シティライフインタビュー】松岡 充 さん
【シティライフインタビュー】稲本渡 さん
【シティライフインタビュー】 朝井まかて さん
【シティライフインタビュー】 K A O R I さん
【シティライフインタビュー】 平田 進也さん
【シティライフインタビュー】 松本 零士さん
同じカテゴリー(シティライフインタビュー)の記事
 【シティライフインタビュー】松岡 充 さん (2014-05-28 22:10)
 【シティライフインタビュー】稲本渡 さん (2014-04-10 10:00)
 【シティライフインタビュー】 朝井まかて さん (2014-03-18 00:00)
 【シティライフインタビュー】 K A O R I さん (2014-02-21 10:00)
 【シティライフインタビュー】 未知 やすえさん 末成 由美さん (2013-12-21 10:00)
 【シティライフインタビュー】 平田 進也さん (2013-11-21 10:00)




Posted by 北摂・阪神の情報紙シティライフ at 10:00│Comments(0)シティライフインタビュー
この記事へのコメント