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【シティライフインタビュー】稲本渡 さん

2014年04月10日


クラリネット奏者
稲本渡 さん




クラリネットソリストの父、ピアニストの兄という音楽一家に生まれ育ち、
自らもクラリネット奏者として幅広い分野で活躍する稲本渡さん。
今年3月5日に惜しまれつつ亡くなった父・耕一氏の音と想いを受け継ぎながらも、
新たな世界の創造に向けて果敢に挑戦中。その情熱の根源にあるものとは―


クラシックをもっと楽しく
もっと身近に感じられるように



「楽しい時間」を共有する
父が教えてくれた大切なこと

―クラリネット奏者として長年活躍された父・耕一氏。渡さんにとってどんな存在でしたか?

世間一般でいう父親像はなかったですが、音楽家としてとても幸せな生き方をさせてくれたと思います。僕が初めてステージに立ったのは5歳の時で、クラリネットを始めてわずか1週間。以後、父のコンサートには数多く出させてもらったんですが、「100回の練習より1 回の本番」と言われるこの世界でたくさんの「場」を与えてくれたことを本当に感謝しています。そして「舞台に上がれば俺もお前も一演奏家だ」と。息子だからコレしろアレしろではなく、同じ奏者としてお互いにより良い物を創り上げていく、そうでなければお客様に喜んでいただけないというのが、多分考えの根本にあったと思うんですね。そのスタンスはしっかりと僕の中にも息づいています。父が一番好きだった「いずみホール」で行う『稲本耕一メモリアルコンサート』では、兄と二人で演奏します。父が今までやってきた音楽や想いを僕たち息子が引継ぎ、応援してくださる皆様への感謝の気持ちをお届けしたいですね。

様々な出会いを通して得た
自分がめざしていくもの

―幼い頃から将来はプロを目指そうと?

実は中学・高校時代は演奏家になるつもりはなくて、長年やっていたクラリネットの経験を活かせれば…と吹奏楽部で有名な大阪府立淀川工業高校(現大阪府立淀川工科高校)に進学しました。音楽科のある学校を薦めていた母と兄は反対しましたが、ここでの出会いが今の自分を作ってくれたと思います。淀工吹奏楽部はとても厳しかったけど「音楽家である前に一人の人間であれ」という丸谷先生の教えは今も心に残っています。また、進路希望で「就職」と書いて提出した僕を真剣に止めてくださった先生方、兄の留学先のドイツで出会った世界的に有名なクラリネット奏者の素晴らしい演奏など、いろんな方との縁が頑張る意欲を与えてくれました。オーストリアでの留学を終え「本当に自分のやりたいことは何なのか」と悩んでいた時に、自分らしく表現することの大切さを教えてくださったのが兵庫芸術文化センター管弦楽団の芸術監督でもある佐渡裕さん。オーケストラであっても一人一人が主張しあい、その相乗効果がより良い音を創り出すものだという考えは、「クラシック音楽をもっと楽しく、もっと身近に」という父の想いに通じるもの。それが今の僕の活動の根源でもあるんです


クラシック発信基地として
多くの人に魅力を伝えたい

―今後、渡さんが目指す音楽の方向性とは?

一言で言えば”個性の相乗効果“。例えば兵庫県立芸術文化センタープロデュースの『サウンドシアター』では、ジャンルの異なる様々なアーティストとのコラボレーションで新しい音の世界に挑戦しています。2012年、中之島にオープンさせたライブハウス・レストラン『SAINT-LOUISAMUSE(サン=ルイ アミューズ)』では、クラリネット奏者としてライブを行う他、音楽プロデューサーとしてさまざまなアーティストに「場」を提供する中で、いろんな人たちから刺激を受けてより良いモノづくりに繋げていけたらという想いがあります。クラシックはどうしても敷居が高くかしこまったイメージを持たれがちですが、美味しい料理やお酒と共にもっと気さくに楽しんでいただける場になれば…。今後はこの店をクラシックの発信基地にしてより良い音楽を届けていきたいし、トップアーティストはもちろん、これから育っていく若い人材の発表の場として、音大生にも活用してもらう予定。まだまだ挑戦は始まったばかりですが、クラシックをベースとしたエンターテインメントを、どんどん広げていきたいと思っています。

■稲本耕一メモリアルコンサート

6月10日(火)19時(開場18時)
出演者:稲本響(ピアノ)
    稲本渡(クラリネット)
会場:いずみホール 料金:4,000円
曲目:ドナウ川のさざ波/アメイジング・グレース/エスペランサ/「海の上のピアニスト」より/ドラマW「私という運命について」/父に.../他
2005年の喉頭ガン発覚時より「命よりクラリネット」を選び、癌の治療よりも演奏を続けることを最後まで貫き通した稲本耕一氏の感謝の思いを音を通して伝えるメモリアルコンサート。
チケットの問合せはTEL.072-221-2731(稲本音楽事務所)


【Profile】

●いなもと わたる 1980年大阪府生まれ。大阪府立淀川工業高校吹奏楽部にて部長・コンサートマスターを兼任。卒業後、オーストリア国立グラーツ音楽大学に入学。国際音楽週間のオーストリア代表に選ばれヨーロッパ各地で活躍。08年~11年には佐渡裕率いる兵庫芸術文化センター管弦楽団クラリネット奏者として活躍。一方、京都御苑での奉納演奏をはじめ数々の著名なアーティストと共演するほか、演劇、映画など多方面で活躍。コンクールの審査員も務め、後進の指導にも力を入れている。
http://otoya-ent.com/
https://www.facebook.com/OTOYAEntertainment

 

〈取材を終えて〉------------------------------------------------------------------ 
 「クラシックって世界共通の懐メロ。本来堅苦しいものじゃなんですよ」と笑う渡さん。肩肘張らず気軽に楽しんでみたいという方は、ぜひ中之島の水辺に佇む『SAINT-LOUIS AMUSE』を訪れてみて!

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Posted by 北摂・阪神の情報紙シティライフ at 10:00 │シティライフインタビュー
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