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【起業の原点をたずねて】株式会社神戸クルーザー

2014年07月31日


幸せのスパイラルで
神戸の港を元気にしたい

株式会社神戸クルーザー
会長 南部真知子さん


北出航を前に「いってきます」と笑顔で手を振る人々。神戸港から明石海峡大橋までをクルージングする「コンチェルト」は、多くの人を幸福感で満たしている。震災後、神戸復興のシンボルとなった船は、どんな想いを乗せて進んでいたのだろうか。株式会社神戸クルーザー会長の南部真知子さんにうかがった。

神戸のために頑張った船を
もう一度、輝かせたい

 当たり前にやって来るはずの平穏が、一瞬にして奪われる̶1995年の阪神・淡路大震災は、東灘区に住む南部さんの体に、「生と死」を鮮烈に焼き付けた。「震災を機に、どう生きるかを真剣に考えるようになりました。多くの人と関わって、多くの感動を心に刻む、それが『よりよく生きる』ことなんじゃないかと。寒い中、ライフライン復旧のために尽力してくださった方々にも、ご恩返しをしたい、と」。

 そんな折、南部さんは一隻の船の再生を託される。それは、震災で客足が減り、売却処分になったクルーザー船だった。「震災時には救援物資と被災者を乗せて、神戸と大阪を毎日毎日、三往復もした船なんです。でも、売りに出された後は、ほったらかされて傷む一方。たった四歳の若い船なのに…。小豆島に繋留されていたその船を見に行った時、船長が涙ながらにおっしゃったのです。神戸のために働いたこの船を、もう一度神戸で活躍させてやってほしい、と。それが契機となりました」。

 こうして1997年、船は「コンチェルト」として生まれ変わり、神戸復興のシンボルとして南部さんと共に走り出した。あれから17年。船体は毎日手入れされ、白く輝く。「ここまで育ててきたという自負はあります。振り返っても、色んな想いが交錯しますね」。

デッキからの眺めも人気。

誰かの幸せが、自分の幸せに
それが仕事の醍醐味

 「船は集客の難しい業界。天候に左右されたり、揺れを心配されたり、敷居が高いイメージがあったりと、地上のレストランに比べてハンデがあります」。メンテナンス費用や重油価格の高騰など、決して簡単ではない仕事だが、南部さんは笑顔で続ける。「でも、船だからこそ得られる魅力もある。楽しい時間を過ごして、降りて来られたお客様の満足そうな表情を拝見できるのが、とてもうれしいんです。様々なイベントや工夫、おもてなしで、船にいらっしゃる全てのお客さまに幸福感が広がって、幸せのスパイラルが生まれる。そういうサービスを直に差し出せる喜び、お客様からの『また来るよ』というメッセージに、17年間支えられてきました」と南部さん。

 その想いは社員にも伝わっている。南部さんは、新入社員が入る度、自らコンチェルトの生い立ちを一対一で話して来たそうだ。「この船が何のために、どういういきさつでここに来て、私たちは何のために頑張っているのか、社員一人ひとりが分かっていて、お客様と気持ちを重ねてくれています」。社員を信じる気持ちに迷いはない。「会社は社会のもの。そして仕事って誰かの幸せのための活動だと思います。それで自分も幸せになれるのが醍醐味なのだと、お客様と接してきて実感しています」。

 南部さんは、船にはクルージング・接客・食事・イベントと『4層構造の楽しみ』があり、船からの景観も日ごとに変わるという。春と秋の17時10分発の「サンセットクルーズ」では、船が旋回する18時頃、明石海峡大橋の2つの橋桁の真ん中に夕日が沈む瞬間を見ることができる。「神戸に来たら船に乗る、と思ってもらえたら本物。たくさんの人に来ていただいて、神戸の港を元気にしたい。そのために仕事を始めたのですから」。


ゆったりと食事を楽しみながらのクルーズは記念日などのお祝いにもぴったり。プロポーズプランも人気だ。

ミュージック・グルメ船
CONCERTO(コンチェルト)


 神戸の町並み、造船所、六甲の山並みや明石海峡大橋、海に浮かぶ神戸空港などを一望できるクルージング。一流の中華料理を味わいながら、昼はクラシック、夜はジャズの生演奏を聴き、神戸ならではの贅沢なひとときを満喫できる。(P.9に関連記事あり)
【標準運航ダイヤ】
ランチクルーズ 12:00~13:45
ティークルーズ 15:00~16:30
ディナークルーズ 17:10~18:55、19:20~21:05
【乗船料】※料理代は別途要
大人2,200 円 小人(小学生)1,100 円
■コンチェルト予約センター(10 時~19 時)
TEL.078-360-5600
ホームページ http://www.kobeconcerto.com/


【Profile】
なんぶ まちこ 
鳥取県出身。大阪大学法学部卒業後、兵庫県庁で9年間勤務。9 6年「神戸復興プロジェクト」として設立された「神戸ハーバーサーカス」に入社。97年「神戸クルーザー・コンチェルト」の立ち上げに参加し、2006年に社長就任、2014年4月より会長を務める。“神戸をウエディングの街に”を合言葉にした「神戸ウエディング会議」の副会長としても精力的に活動中。

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Posted by 北摂・阪神の情報紙シティライフ at 09:46 │起業の原点をたずねて
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